こんにちは、山キャン情報室 管理人の亀太郎です。
登山始めた頃の先輩の同行者(女性)との会話。
同行者:「ちょっと、お花摘んできますね~」
僕:「え~この先、花が咲いてるんだ」
同行者:「(;^_^A」
登山では独特な言い回しをする隠語・俗語がありますよね~
ここでは、『かっこいい登山用語』と『知っておくべき登山用語』をシーン別に紹介します。
- この記事を書いている人
登山歴:2007年~キャンプ歴:1995年~ - 九州の大学卒業後、愛知県の自動車会社で車体構造の研究に従事する傍ら、1995年からデスクワークのストレス解消にオートキャンプを始める。
2007年からは、「山頂でテント泊をしたい」との単純な発想から、登山を独学で学び(一時期、山岳会に所属)、今はソロテント泊主体に活動中。
そんな経験もふまえ、大手メディアでは取り扱っていないノウハウや小ネタ情報を発信しています。
登山中に使うと『かっこいい登山用語』
ギア
登山道具のこと。
なぜか、登山では「ギア」という言葉を使い倒す人が多いです。
一本立てよう
登山中に休憩する時に使う俗語。
語源は、登山者の荷物を背負って案内する「強力(ごうりき)や歩荷(ぼっか)」さんが休憩する時に、杖の棒を背負子(しょいこ)の下に立て、荷物を下ろさずに休憩していたことが由来。
デポ
事前に荷物を置いておくことで、「置く、預ける」を意味するDeposit(デポジット)の略。
テントや小屋に荷物を置いて山頂を往復する時など、「重いのでデポしてから行こう」などと、皆さん普通に使います。
但し、貴重品は必ず身に着けておいてくださいね。
空身(からみ)
読んで字のごとく、荷物を何も持たずに山頂をピストンしたりすること。
「荷物をテンバにおいて、空身で山頂までピストンしようや」などと使います。
シャリバテ
シャリとは「米」で、お腹が空いてバテて動けない状態のこと。
下界(げかい)
「あ~、下界に下りてきたぁ~」のように、麓の世界を「下界(げかい)」と登山者は言いますよね~
ちょっと高慢な感じもしますが、何故かよく使う言葉。
テンバ
テント泊登山で使う「テント場」のこと。
「テンバまで、もぉちょっとだぁ~」といったように使います。
モルゲンロート
朝日により山肌や雲が赤く染まること。
語源はドイツ語で、「朝」を意味する「モルゲン(Morgen)」と「赤」を意味する「ロート(rot)」を合わせた造語。
早朝の涸沢から見る穂高岳のモルゲンロートは有名ですよね。
アーベントロート
夕焼けが山肌に反射して山が赤く染まること(モルゲンロートの夕方版)。
語源はドイツ語で「夕方」を意味する「アーベント(Abend)」と「赤」を意味する「ロート(rot)」を合わせた造語。
ブロッケン現象
ガス(霧・雲など)の中に自分の影が映り、その周りを虹色の光の輪が囲む現象のこと。
さらに、その光の輪はガスに映った自分の影の頭の周りにできるので、山の神様か仏様の様に見えて感動間違いなしです。
詳細は登山でブロッケン現象が見えるのは幸運だけではない原理と条件で紹介しています。
持てる男
大きなザックを担げるパワーのある若者のことで、決して「モテル男」ではありません。
山ガールさんから重い共同装備などを担いでもらえる貴重な存在として大人気(;^_^A
キジ撃ち
男性が山でトイレ(大便)に行くこと。
大便をしている姿が、雉(キジ)をしとめようと構えている姿に似ていることから、そのように言われるようになったそう。
「大キジ」で大、「小キジ」で小を表現する場合も。
お花摘み
女性が山でトイレに行くこと。
女性が山で用を足す時に、お花を摘んでいるように見えることから、そのように言われるようになったようです。
登山三種の神器
登山靴、ザック、レインウェアの3つ。
登山必携のアイテムなので当然かも。
冬山三種の神器
やや専門的になりますが、スコップ、ゾンデ棒、ビーコンの3つ。
雪崩に巻き込まれたときに生存率を少しでも上げることができる厳しい冬山登山の必携装備。
使い方がわからないと持参する意味がありませんので、冬山経験者と何度も同行して使い方をマスターすること必須。
登山中に使う『知っておくべき登山用語』
コースタイム
登山口から登頂までなど、ポイントからポイントまでの目安の時間のことで、「山と高原地図」などに記載されているもの。
ただし、休憩時間を含んでおらず、人によって目安の時間は異なるなど、コースタイムを読み誤ると遭難の危険あり。
なので、自分のペースを勘案して「コースタイムの1.2倍」で計画するなど、細心の注意が必要です。
ラク、ラ~ク
落石があった際や、自分が石を落としてしまった時に叫ぶ言葉。
落石(らくせき)を短縮した言葉で、もし、自分が石を落としてしまったら下へ向かって大きな声で「ラ~ク」と叫びましょう。
逆に上の方から「ラ~ク」と聞こえたら、その方向を確認して岩陰に逃げるなど必須。
浮石
一見動かなそうだけど人が乗ると傾いたり崩れたりする石のこと。
パーティで歩いている時に遭遇したら、後続に「浮石があるよ~」と知らせて下さい。
3点確保
岩場を安全に通過する技法で、岩場登山の基本の「キ」で、両手両足の4点のうち、1点ずつ動かして、3点は必ず掴んだり地に着くように移動すること。
これをしっかり守れば安定していて安心にもつながりますよね~
にせピーク
「もう少しで頂上だと登ってみたら、さらに上に頂上があるやん(;^_^A」ってよくありますよね。
そんな頂上を「にせピーク」って言います。
頂上付近では必ずと言っていいほど「にせピーク」に騙されることあるので、「あそこに見えるピークは、多分「にせピーク」だろう」と思っていた方が無難かと。
巻く
ピークを通らずに山腹を横切ったり、困難な箇所を避けて迂回すること。
分岐点で「巻き道」の看板が立っている場合もありますよね。
巻き道の方がほぼ安全ですが、そうではない場合もあり(例:木曽駒ケ岳山頂から千畳敷に下山するコース)、事前に調べておくことが必要かと。
トラバース
尾根道を行かず斜面を横断することや岩壁を横(水平方向)に移動すること。
急斜面のザレ場のトラバースって、個人的には一番嫌いなコースです(;^_^A
鎖場
険しい岩場などで鎖やロープが取り付けられた場所。
鎖は、四国の石鎚山のような鎖場を除き、ぶら下がるのではなく補助的に使う事が重要。
バリエーション・ルート
一般的な登山コースではないコースのことで、初心者はやめておいたほうがいい。
ビバーク
事故などの緊急事態に山で一晩過ごすこと。
ボッカ<歩荷>
山小屋などへ荷物を運ぶことや運ぶ人そのものを指す言葉。
本番の登山前に荷物を担いで練習する事を「ボッカトレ」と言ったります。
水場
飲料水を補給できる場所。
沢や湧き水などがあり、「山と高原地図」などに記載されてます。
季節によっては枯れている時もあるので、登山前に山小屋などに事前確認することが必須。
『知っておきたい登山用語』(地形編)
稜線
峰から峰へと続く山の尾根のこと。
山の上の方の尾根なら峰から峰でなくても稜線と呼ぶ場合も。北アルプス縦走で稜線歩きをすると病みつきになること間違いなし(笑)。
肩
山頂や名前のある峰の付近にある平坦な地形のこと。
北岳の「肩の小屋」など、その典型ですよね~
馬の背 、コル、鞍部(あんぶ)
尾根の一種で馬の背のように凹んでいる地形のこと。
カール
山地の斜面をスプーンでえぐったような地形のことで、高山直下などに見られるもの。
涸沢カール、黒部五郎カール、千畳敷カールなどが有名で、初夏はお花畑が凄い。
キレット、切戸
稜線の一部が急激に切れ落ちている地形のことで、外国語のようだが日本語の「切戸」が語源。
高い所が弱い筆者は近づかないようにしてます。
二股
2つの沢が合流する地点のこと。地形用語としても使われ「二股」「二俣」の地名も多い。
バカ尾根
単調で面白みがなく、だらだら登る必要あり疲れるだけの長い尾根道。
丹沢・塔ノ岳への大倉尾根が有名。
乗越<のっこし>
2つの峰間で低くなった尾根を乗り越える地点のこと。
北アルプス等歩いていると、よくこの地名が出てきますよね。
ガレ場
大きな岩がゴロゴロ敷き詰められた場所で難所が多い。
大きな石や岩(大きいものは数m以上)がゴロゴロと転がっている所は「ゴーロ」ともいう。
ザレ場
細かな石や砂が広がっている場所のこと。
以外に、ガレ場よりザレ場の方が歩きにくいことも。
森林限界
標高が上がるにつれ高木が生育できなくなる境界線のこと。
そこから上は低木しか生えないため見晴らしがいいですよね~
雪渓
渓谷に夏まで雪が残っている場所のこと。
固くなっているので雪渓の上を歩くことができるが、落石に最大限の注意を払う事必須です。
雪庇(せっぴ)
雪山で強風により稜線に張り出した雪の塊。
踏み抜いて滑落する危険があるので、雪庇には近づくことは絶対NG。
『知っておきたい登山用語』(行動編)
ピストン
山頂に登った後に登山口まで同じ道を使って帰ってくること。
ぐる~っと回って歩くことを「周回」っていいます。
縦走
複数の山を歩くこと。
稜線歩きなど楽しいですが、登山口がスタートとゴールで別になるので、車で行くと帰りが面倒。
藪漕ぎ
藪をかき分けて進むこと。
登山道を歩く限りは殆ど遭遇しませんが、バリエーションでは藪漕ぎ必須です(;^_^A
渡渉
川や沢を歩いて渡ること。
大雨の後などは、水流が多く流れも急なので絶対避けた方がいい。
ラッセル
深い雪をかき分けて進むこと。
一人だと超大変なので、パーティで行って交代しながら進んだ方がいい。
つぼ足
雪の上をスノーシューやアイゼンを付けずに歩くこと。
グリセード
雪面を直立して山靴のまま滑り降りること。
ただし、雪山に慣れた人じゃないと難しいと思います。
尻セード
いわゆる「尻滑りのこと」でグリセードをもじったもの。
雪面がいいと楽に下山出来るが、アイゼンを付けたままだとアイゼンが引っかかって急停止して危険なので、アイゼンは外した方が無難。
一度やると楽ちんなので病みつきになるのが「尻セード」です(;^_^A
『知っておきたい登山用語』(ギア編)
パッキング
ザックへ荷物を詰めること。
簡単なようでテント泊などでは意外にコツが必要。
武器(ブキ)
山で食事をする時に使う箸・フォーク・スプーンのこと。
大学山岳部のテント内の食事が戦場のようだったため、食器類を武器(ブキ)と言うようになったそうな。
ヘッデン
ヘッドランプ(ヘッ電)のこと。
わかん
雪上を歩くとき靴に取り付ける楕円型のかんじき「和かんじき」の略。
雪の樹林帯などではスノーシューより機動性があり使いやすい。
スタッフ・バック
ザック内の小物や衣類を収納するのに便利な巾着型の袋のこと。
天蓋(あまぶた)
ザック上部に付いている雨や雪が中に入らないようにしたフタ。
最近は軽量化で天蓋(あまぶた)なしのモデルも多いが、天蓋にはポケットが付いていて小間物が入れられるので一長一短ですかね~
石突き
ストックの先端部分。
ストーブ
携帯用コンロのこと。
要はバーナーのことだが、登山では「ストーブ」ということが多いので要注意ですね~
ツェルト
ビバーク時に用いる非常用の小型のテントのこと。
小さく軽量で持ち運びしやすいので、常時ザックに忍ばせておくことをおすすめします。
『知っておきたい登山用語』(ウエアー編)
レイヤリング
服装を主に3層に分けて着分けることで、登山ウエアーの基本の「キ」。
1層目をベースレイヤー、2層目をミドルレイヤー、3層目をアウターといい、それぞれ役割が異なる。
- 1層目(ベースレイヤー):シャツ、ズボン、靴下といった通常の服で吸汗速乾性が望ましい
- 2層目(ミドルレイヤー):保温が目的で、フリースやダウンなど
- 3層目(アウター):外気と雨を遮断することが目的で登山用のレインウェア
ソフトシェル
生地が薄く柔らかいジャケットで、防風のために着るもの。
ハードシェル
防水性・耐暴風性・強雨・雪などから体を守る役割のジャケットのこと。
固めの素材でできている。レインウエアーもその一種。
スパッツ、ゲイター
登山靴に水や雪、砂が入らないように足首を覆うカバーのこと。
雨や雪の時の必須装備。
象足
雪山のテント泊で使う、羽毛のテントシューズのこと。
履いた形が象の足のように見えることから呼ばれるように。
足裏はゴムで覆われているので、雪山のテント泊ではそのまま外に出ることもできて超便利です~
まとめ
以上、『かっこいい登山用語』と『知っておくべき登山用語』をシーン別に紹介しましたが、いかがでしたか?
長々と書きましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。