アンナプルナはなぜ「やばい」のか、 死亡率30%を超える理由を徹底調査
出典:フォートラベル

こんにちは、山キャン情報室 管理人の亀太郎です。

ヒマラヤのアンナプルナ、サンスクリット語で「豊穣(ほうじょう)の女神」

美しい名前ですが、別名「キラーマウンテン」として、世界で一番危険な山で恐れられている山で、確かに名前だけでも『やばい』ですよね?

その死亡率は30%を超えているそうです。

ここでは、アンナプルナはなぜ「やばい」のか、死亡率30%を超える理由を徹底調査したので、紹介します。


この記事を書いている人
登山歴:2007年~キャンプ歴:1995年~
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九州の大学卒業後、愛知県の自動車会社で車体構造の研究に従事する傍ら、1995年からデスクワークのストレス解消にオートキャンプを始める。

2007年からは、「山頂でテント泊をしたい」との単純な発想から、登山を独学で学び(一時期、山岳会に所属)、今はソロテント泊主体に活動中。

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そんな経験もふまえ、大手メディアでは取り扱っていないノウハウや小ネタ情報を発信しています。





「キラーマウンテン」と呼ばれる「やばい」山

アンナプルナ
出典:YAMA Trip

アンナプルナは、ネパール・ヒマラヤの中央に東西約50 kmにわたって連なる、ヒマラヤ山脈に属する山群の総称。

第1峰(8,091 m)、第2峰(7,937 m)、第3峰(7,555 m)、第4峰(7,525 m)からなり、第1峰の標高は世界第10位。

サンスクリット語で「豊穣(ほうじょう)の女神」

初登頂は1950年で、人類が足跡を刻んだ初めての8,000 m峰(3年後にエベレストが登頂されるまでは人類が登頂した最も高い山でした)。

美しい名前の反面、死亡率は30%を超えており、8000m峰の中では断トツの死亡率で、別名「キラーマウンテン」と呼ばれている非常に「やばい」山です。

では、なぜ、「キラーマウンテン」っという異名がついているのでしょう?

「やばい」理由には岩壁と雪崩の脅威があった

アンナプルナ
出典:Tabit life

死亡率30%は断トツ

アンナプルナは2012年3月時点で191人しか挑戦していませんが、それに対して死亡者は61人

エベレストの登頂者数が約5000人で、死亡者は64人であることを考えても、その難易度がどれだけ高いかわかるかと思います。

世界の”8,000m峰14座”のデータを下に示しますが、あのK2でさえ25%。アンナプルナ、すごすぎです。

8,000m峰14座の死亡率

死亡率(%)=死亡/登頂比(2012年3月時点)

  • 1位 アンナプルナ(31.9%)
  • 2位 K2(26.5%)
  • 3位 ナンガ・パルバット(20.3%)
  • 4位 ダウラギリ(15.4%)
  • 5位 カンチェンジュンガ(14.1%)
  • 6位 マナスル(9.8%)
  • 7位 ガッシャーブルムI峰( 8.7%)
  • 8位 マカルー(8.6%)
  • 9位 シシャパンマ(8.3%)
  • 10位 ブロード・ピーク(5.2%)
  • 11位 エベレスト(3.9%)
  • 12位 ローツェ(2.8%)
  • 13位 ガッシャーブルムⅡ峰( 2.3%)
  • 14位 チョ・オユー(1.4%)

アンナプルナが断トツの死亡率となっている理由はいろいろありますが、一言でいうと2つ。

  1. 南側からの登頂は岩壁に阻まれる
  2. 北側からの登頂は雪崩に阻まれる

南側からの登頂は岩壁に阻まれる

アンナプルナ南壁
出典:blog.livedoor.jp

南壁は高度な技術であっても登頂困難な大岩壁

標高7500メートルの地点では、7kmにわたる尾根を横断しなくてはならず世界で最も危険なルートとして知られている。

その困難さは、2008年にある一人の登山家の救出を行った12人の登山家の証言を中心にした、ドキュメンタリー映画でもわかりますので、興味があれば見て下さい。

アンナプルナ南壁 7400mの男たち
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北側からの登頂は雪崩に阻まれる

アンナプルナ北側
出典:フォートラベル

北側は雪崩が頻発する地帯。

2014年には、吹雪に伴う雪崩が発生し、トレッキング中の人やガイドなどが巻き込まれ死亡者43名というネパールのトレッキングにおける過去最悪の事故が発生していることでも有名。

最近でいうと、2020年も1月17日に大規模な雪崩が発生し、周辺をトレッキング中の登山客の約200人が救助されたが、7人が行方不明となるという大事故も発生。

アンナプルナは山麓まで歩いていくトレッキングツアーでも有名ですが、こんな事故も起こるんですね。

もぉ、雪崩の巣ですね。

最後に、その登頂の歴史を振り返ってみます。

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登頂の歴史を振り返っても「やばい」

エルゾーグらによる初登頂(1950年)

モーリス・エルゾーグ
出典:Wikipedia

1950年にフランスのエルゾーグ率いる登山隊が北東壁ルートから登頂

その登頂に際して、それまでになかった新しいアプローチが試みられたそうです。その一つ目は化学繊維製品の活用であり、二つ目は軽装速攻主義をとった点である。

テクノロジーの進歩がここでも貢献しているようですね。

1人の犠牲者も出すことなく、撤退はできたそうですが、登頂したモーリスとルイは2人合わせて30本の指を凍傷で失い、空港で出迎えた人々を絶句させたそうです。

なお、南壁からの初登頂は、1970年にイギリス隊が達成しています

日本隊の挑戦

日本人も数多くの登山家が挑戦しています。

1964年に京都大学登山隊が、1950年のエルゾーグに次いで人類2番目の登頂

それ以降も、1981年に南壁新ルートでの登頂など栄光もありますが、それ以外で、何人かは雪崩で命を落としているようです。

まとめ

以上、アンナプルナはなぜ「やばい」のか、死亡率30%を超える理由を徹底調査した結果を紹介しましたが、いかがでしたか?

南側は岩壁の脅威、北側は雪崩の脅威、と八方ふさがりですよね。

そんな山に命を懸けて何度も挑戦する登山家って、ホント感銘しました。

読んでいただき、ありがとうございます。