
デナリ(旧 マッキンリー)はアメリカのアラスカにある有名な山。
テレビ番組「世界の果てまでイッテQ」のイモトアヤコが2015年に登頂したことでも有名。
山の名称は、デナリというより、マッキンリーの方が皆さんしっくりくるのでは?
ここでは、デナリ vs マッキンリーの歴史と題して名称の由来を徹底調査したので紹介します。
調べてみると、マッキンリーからデナリ に名称が変更されるまでの歴史には歴代のアメリカ大統領の影がチラホラと。
- この記事を書いている人
登山歴:2007年~キャンプ歴:1995年~ - 九州の大学卒業後、愛知県の自動車会社で車体構造の研究に従事する傍ら、1995年からデスクワークのストレス解消にオートキャンプを始める。
2007年からは、「山頂でテント泊をしたい」との単純な発想から、登山を独学で学び(一時期、山岳会に所属)、今はソロテント泊主体に活動中。
そんな経験もふまえ、大手メディアでは取り扱っていないノウハウや小ネタ情報を発信しています。
デナリってそもそもどんな山?

アメリカのアラスカにあるデナリ(旧マッキンリー)は、日本の冒険家・植村直己さんが眠る山で有名。
標高は6190mとエベレストよりも低いが、エベレストはチベット高原からの標高差は3700mなのに、デナリは麓からの標高差は5500mと、標高差はエベレストを圧倒。
緯度が高いため、気温も低く、夏でも最低気温は-30℃近く。厳冬期は中腹で最低気温−73.3度を記録しているそうです。
氷河にはクレパスが口を空けており、切れ落ちた雪の斜面をトラバースする難所があるなど、かなり厳しい山。
それでも、毎年4月から7月の時期に1000人近くの登山者が平均2週間をかけて頂上を目指しているそうです。
2017年に山岳スキーの第一人者 佐々木大輔さんが頂上から、一気にスキーで大滑降をやったことでも有名ですよね。こんな↓感じ。
では、本題の、「デナリ に名称が変更されるまでの歴史」について、その由来を紹介します。
デナリ vs マッキンリーの歴史|①昔は47の名前をもつ山
昔は47の別名があったそうです。例えば、
- 「大きな山」という意味をもつ「ドレイカア」
- ロシア語で「ボルシャヤ・ゴラ(大きな山)」
- 「ノース・ピーク(北の山頂)」を意味する現地語の呼称を複数の英語で表記
- 地元の金採鉱者の名前にちなんで「デンスモアの山」
など、47の顔を持つ山だったそう。
では、なぜ、マッキンリーになったのかというと、これがまた面白いです。
デナリ vs マッキンリーの歴史|②マッキンリー大統領が「マッキンリー」に決めた(1897年)
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マッキンリーって第25代大統領の名前。
1896年に金を求めて現地を探索していた人が、米大統領候補になったばかりのウィリアム・マッキンリーにちなんでつけた名前。
その翌年に、連邦政府によって正式に、「マウント・マッキンリー」となる。
なんと、政治が絡んでいるなんて驚きですよね。
その後、第25代大統領になったマッキンリーは一度もアラスカにも行かないまま、1901年に暗殺されたそうです。
そんな経緯で名称が決まったものだから、論争が続くことになります。
デナリ vs マッキンリーの歴史|③オバマ大統領が「デナリ」に改名(2015年)
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「デナリ」は「高いもの」「偉大なもの」などを意味するそうで、アラスカ先住民が呼びならわしてきた名前。
そのこともあり、50年近く、アラスカ州は山の名称を「デナリ」に戻そうと運動してきたそうです。
要約すると、
- 1975年から、アラスカ州政府はデナリを正式名称とするよう、連邦政府に働きかけることを始めが、マッキンリー大統領の出身、オハイオ州の反対に遭ってかなわず。
- 1980年にはアラスカ州は州法に基づき、山を含む周囲にデナリ国立公園を設置し、山の呼称もデナリに改称したが、連邦地名局はマッキンリーを使い続けた。
- 1980年以降は2つの呼称が並存。アラスカ人はデナリの名を好む傾向があり、連邦政府での呼称もそれに変更しようとする運動も行われたが、山をマッキンリー、国立公園をデナリと呼び分けてたらしい。
この論争に終止符を打ったのがオバマ大統領で、2015年8月30日、山の名称を正式にデナリへ変更することを発表。
その際に、「この場所への畏怖の気持ちを抱きながら、アラスカ先住民の伝統にのっとり、アラスカの人々の強い応援を受けて、この山の名称を正式に『デナリ』に変更する」と声明したとのこと。
- 地図上では「デナリ(マッキンリー山)」とマッキンリーがカッコ付きで残ってます
- カッコ付きで残した理由は、「デナリの公式名化によってマッキンリーが逆にデナリの別名として最も広く知られる名称となったため。このような変更は、世間が慣れるまでに時間がかかるものですから、両方を併記するのがよいと考えています」とのこと
デナリ vs マッキンリーの歴史|④トランプ大統領は?(2017年)
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トランプ大統領とアラスカ州出身の議員との会談
- トランプ大統領:「アラスカ州のあの大きな山も大統領令によって名称が変更されたと聞いている。我々がそれを覆すことを望むか?」
- アラスカ州出身の議員:「No!」
- トランプ大統領:「Why?」
- アラスカ州出身の議員:「あの山はアラスカ先住民が1万年以上前に命名しました。デナリがその名称です」
まさか、いくらトランプ大統領でも、そんなことはしないと思いますけど。
山の名前って大統領でも簡単には変えられませんよね?って思っていたら、実は結構変わっているようで、次にその例を紹介します。
参考:山の名前って世界中でもいろいろ変わってる
エアーズロックはウルルに(オーストラリア)
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調べるとデナリと同じ運命をたどってました。
- オーストラリア中心部の巨大な一枚岩は、イギリス人探検家がつけた名称「エアーズロック」が長年使われてきた
- もともとは地元の先住民アボリジニが「ウルル」と読んでいた
- 1995年に「エアーズロック(ウルル)」と正式名称が変更
- 2002年には「ウルル(エアーズロック)」に変更
アバター(中国)

中国・張家界森林公園の「南天一柱」も「アバター哈利路亜山(ハレルヤ山)」に名称変更したそうです。
理由は簡単で、この山が、映画「アバター」の舞台のモデルとなったこと(笑)。
まとめ
以上、マッキンリーからデナリ に名称が変更されるまでの歴史を徹底調査し、それには歴代アメリカ大統領の影があることを紹介しましたが、いかがでしたか?
人間の都合で、名称を変えられる山も大変ですが、何万年も前からそこに鎮座している山にとっては、大した話ではないのかもしれません。
読んでいただきありがとうございます。
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私もマッキンリー山の方が実は馴染み深いですが、元々の名称がデナリならばその方が良いに決まっていると思いますね。富士山にマウント・ペリーとか名付けるようなものでしょうからね。
山口様
コメント、ありがとうございます。
僕もマッキンリーの方がすっきりしてましたが、最近はデナリもだいぶん馴染んできましたよ。
それにしても、富士山にマウント・ぺリーとは、面白い発想ですね~(笑)。
まさか、マウント・バイデンに変わったりして!
参考になりました!ありがとうございます。
山キャン情報室 管理人 亀太郎