こんにちは、山キャン情報室 管理人の亀太郎です。
常念岳の南に位置する蝶ヶ岳(2677m)。
コロナも収まってきたこともあり、頂上直下にある蝶ヶ岳ヒュッテのテント場からのご来光を見に、テントを担いで上高地側から登ってきました。
ここでは、蝶ヶ岳にテント装備で登るには『横尾から』と『徳沢から』のどっちがきつい?のか回想録も交えて紹介します。
- この記事を書いている人
登山歴:2007年~キャンプ歴:1995年~ - 九州の大学卒業後、愛知県の自動車会社で車体構造の研究に従事する傍ら、1995年からデスクワークのストレス解消にオートキャンプを始める。
2007年からは、「山頂でテント泊をしたい」との単純な発想から、登山を独学で学び(一時期、山岳会に所属)、今はソロテント泊主体に活動中。
そんな経験もふまえ、大手メディアでは取り扱っていないノウハウや小ネタ情報を発信しています。
蝶ヶ岳のテント場は”ご来光”と”モルゲンロート”の同時進行が圧巻
ご来光はこんな↓感じ。
特に、テント場を一望できるところからの景色↓が最高。
さらに、振り向けば穂高連峰のモルゲンロートも見れるんです。
そんな一瞬を40秒の動画にも撮ってますので、よかったらどうぞ〜
次に、そんな早朝の絶景を見に蝶ヶ岳に登るルートを紹介します。
蝶ヶ岳に上高地から蝶ヶ岳に登るルートは2つ
安曇野側から登る『三俣ルート』もありますが、ここでは僕のお気に入りの上高地の徳沢で前泊して登るルートを2つ紹介します。
ルート❶:徳沢から長塀山を経由
ルート❷:徳沢から横尾を経由
標高差は両ルートとも約1200m。
ルート❶は徳沢から直接登りますが、ルート❷は横尾まで梓川沿いに歩いて横尾の登山口から登る。
どちらを選択しようか?迷いました。
根拠はありませんがルート❶はクマに遭遇する可能性が高いのでは?との嫌な予感があり、ルート❷を選択しました。
僕のクマ対策については登山で熊と遭遇する確率を減らす方法は『熊鈴』だけじゃないで紹介しています
次に、その回想録を紹介します。
回想録(1)上高地から横尾経由で登ったが樹林帯の急登にもがき苦しむ
徳沢園キャンプ場で前夜泊(2023.8.1)
当初の目標は上高地〜中房温泉までのパノラマ銀座を縦走(天候によっては常念から一ノ沢に下山)。
なので、車ではなく電車とバスを乗り継いで上高地入りし、徳沢園キャンプ場で前夜泊。
徳沢キャンプ場でおすすめなのが、徳沢ロッジのお風呂と風呂上がりにラウンジで飲むビール。
テント泊なのにホテル泊のような気分で、一度経験すると必ず病みつきになりますよ(笑)。
徳沢から横尾までは楽しい林道歩き(2023.8.2)
徳沢から横尾まで梓川沿いをプチモルゲンロートを見ながら歩きます。
槍見台までは順調に進む
登山口は横尾山荘のすぐ横。
そこから稜線上の分岐点まで標高差1000mの急登。
登山口から30分ぐらいにある槍見台ベンチ↓からは槍ヶ岳がバッチリ。
槍見台からは視界のない樹林帯の急登にもがき苦しむ
槍見台を過ぎると、視界も開けない急登が延々と続きます。
登山道はしっかり整備されていましたが、マジしんどい( ; ; )。
さらに、前泊時の夕立で濡れたテントが重さを増して、想像以上にしんどいっ。
キツすぎて写真もありません^^;
稜線についた頃はバテバテ^^;
稜線上の分岐点で一気に視界が開けますが、その時点で既にヘロヘロ^^;
ただ、恒例の雲が上がってくる直前だったので穂高連峰もバッチリ。
テント設営で信じられないミスを犯し、翌日下山する事に
山頂直下なので風の影響の少ない端っこのサイト↓を選んで設営。
ここで信じられないミス。
設営終わって荷物を入れようとしたら、アウターの出入り口とインナーの出入り口が反対にっ!!
こんなミスはオートキャンプも含め30年間で初めて。
疲れで思考力も落ちてるような^^;
この状態では明日からの常念ー大天井ー燕岳のテントを担いでの縦走は無理だと判断し、翌日は長塀山経由で下山する事にっ。
回想録(2) 蝶ヶ岳から長塀山経由で下山
”ご来光”と”モルゲンロート”の共演に感動(2023.8.3)
翌朝は”ご来光”と”モルゲンロート”の共演を堪能(記事の冒頭で紹介)。
昨日の疲れはとれていたので、常念の方に行くか迷いましたが、変更した計画通り下山。
妖精の池 付近はお花畑
山頂から少し降りると『妖精の池』と呼ばれる湿地帯があり、その付近のお花畑に癒されながら歩く。
長塀山を過ぎると”急登の樹林帯”に
長塀山を過ぎると”視界の開けない急登の樹林帯”になりますが、下りなので楽ちん。
でも、登ってくる人は相当きつそうでした(^^;;
予想通りクマが出没(@_@)
順調に下山していたら、徳沢からの登山者からとんでもない情報がっ。
登山者:『ここから標高差300m下った付近でクマがいたそうです〜』
僕:『えっ、やはり(@_@)』
登山者:『強烈な獣臭もあったそうなので間違いないようです〜』
上高地なのでクマはどこでもいますが、根拠のないクマ出没の嫌な予感は当たっていたようです。
そこからは、熊鈴に加え、iPhoneでJazzを鳴らしながら、早歩きで下山(笑)。
すれ違う人もほとんどいなかったのでうるさくなかったかと^^;
無事徳沢に到着
iPhoneのおかげか、クマには合わず無事徳沢に下山し、恒例の徳沢園のソフトクリーム(笑)。
上高地の小梨平キャンプ場
上高地まで戻って梓川沿いの穂高連峰を一望できるベストポジションにテントを設営。
翌朝は早起きして岳沢湿原を散策。
小梨平キャンプ場、最高でした〜
隣のテントのおじさんは僕の故郷の福岡から。なんと7月20日から9月20日まで小梨平キャンプ場で過ごすそう。テントやタープは宅急便で送ったそうです。最高の避暑生活。いろんな強者がいるんですね〜
蝶ヶ岳に登るには”横尾から”と”徳沢から”のどっちがきついのか考えて見た
クマ出没の予感もあり『横尾から』を選んで結果的には正解でしたが、『横尾から』と『徳沢から』のどっちがきついのか考えてみました。
両方の斜度比較
まずは両方の斜度を比較してみた。
登山口から標高差400mまでは両者とも同じですが、それ以降は明らかに『徳沢から』の方が小さい。
次に、僕の選択した『横尾から』はどれぐらい急登なのか、急登と呼ばれている登山道と比較したので紹介しますね。
急登と呼ばれている登山道との斜度比較
❶『笠新道』との斜度比較
急登として有名な『笠新道』と比較したのが、これ↓。
うわぁ〜(@_@)
笠新道の斜度とほぼ同じ〜
笠新道登った時はしんどそうなのでテント泊じゃなく山小屋泊で行ったこともあり意外と楽に登れたんですが、今回は濡れたテントを担いでの急登。
バテて当然かもです(^^;;
笠新道は笠新道から登る笠ヶ岳!弓折岳~鏡平を経由して下山(2018.8/19-20)で紹介しています
❷『日本三大急登』との斜度比較
次に日本三大急登の一つ『中房〜燕岳』と比較してみた。
『横尾から』の方がきついようです。
中房〜燕岳間は何度か登ったことありますが、さほどしんどいとは思ったことないんですよね〜
恐るべき『横尾から』のルート。
中房〜燕岳は北アルプス縦走!中房温泉ー燕岳ー常念岳ー一の沢ルート へ(2019.9.18-20)で紹介しています
❸おまけ:『本宮山』との斜度比較
おまけにトレーニングで使っている愛知県本宮山と比較。
斜度が違いすぎてるので参考になりませんね(笑)
”横尾から”と”徳沢から”のどっちがきついのか?
斜度の比較では『横尾から』の方がきつそう。
さらに『徳沢から』はこんな↓利点もっ!
- 登り始めは九十九折り(つずらおり)となっており登りやすい
- 長塀山をすぎると傾斜が緩やかになりお花畑もあるので疲れを癒してくれるかも
そう考えると、『徳沢から』の方がよさそうですが、こんな↓欠点もっ!
- 長塀山からも距離は長くダラダラ登るのも疲れそう
- 早朝だとクマ遭遇確率が高そう(根拠のない予感ですが)
っていろいろ考えてみても、クチコミ↓も調べてみましたが、どちらがきついのか答えは出てきませんでした^^;
- 横尾からのルートは普通エスケープルートに利用されているよう
- 徳沢からのルートは一見緩やかに見えますが、結構な急登が続きます。いったん下ってからの登り返しもあり、後半がかなり「きつい」
まとめ
以上、蝶ヶ岳にテント装備で登るには『横尾から』と『徳沢から』のどっちがきついのか回想録も交えて紹介しましたがいかがでしたか?
結論は出ませんでしたが、参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。