夏山や紅葉登山もいいけど、冬の山に足を踏み入れた人なら誰しも思う、異次元の美しさ!
一面の銀世界や樹氷・霧氷や、小動物の足跡など、夏や秋とはまったく違う姿を見せてくれます。
ただ、夏山や秋山と違ってリスクも高くなり、しっかりした装備が必須となります。
ここでは、初めての雪山登山の方に、行く前に必ずそろえて欲しい6つの装備を紹介します。
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登山歴:2007年~キャンプ歴:1995年~ - 九州の大学卒業後、愛知県の自動車会社で車体構造の研究に従事する傍ら、1995年からデスクワークのストレス解消にオートキャンプを始める。
2007年からは、「山頂でテント泊をしたい」との単純な発想から、登山を独学で学び(一時期、山岳会に所属)、今はソロテント泊主体に活動中。
そんな経験もふまえ、大手メディアでは取り扱っていないノウハウや小ネタ情報を発信しています。
雪山登山の心得
夏や秋の登山と雪山の登山は同じ”登山”と言っても、まったく違うと考えてよいです。
天気がいいし、夏山でよく知っている山だから大丈夫!っと安易に雪山に入ることは絶対に避けて下さい。
そんな雪山登山をする際の心得を簡単にまとめてみました。
初めての方は必ず経験者と同行する
例えば、吹雪の時のホワイトアウト。
街中で遭遇したら前が見えない程度で済むところが、雪山で遭遇したら確実に遭難予備軍になってしまいます。
なので、始めて雪山に入る時は、そのような場合の事前の備えや対処方法を判断できる経験者と必ず同行する事をお勧めします。
知り合いに雪山経験者が居ないって方は、プロのガイドのツアーに参加すれば、いろんな事を教えていただけます。
何度かそれを繰り返していくと、「こんな時はこうすればいいんだ」とか、だんだんコツがわかってきますよ。
登山届・下山届
夏山でも必須ですが、雪山は絶えず危険にさらされていると考え、万一の事態に備え、山に入る際は登山届・下山したら下山届を出しましょう。
天候の入念なチェック
これも、夏山でも必須ですが、それ以上に入山する前は必ず期間中の気象状況を確認してください。
登山中に少しでも悪化の兆しが見えたら、即、撤退の勇気が非常に大切です。
コースを外れない
雪山の登山道は基本は先行者が踏み固めた道(トレース)をたどって行くことになりますが、そこから外れない様に。
新雪を歩くのは気持ちいいですが、経験者と同行しない限り、平地でも新雪に体半分埋まってしまったり、稜線では風下に大きな雪ぴができてて踏みぬくと滑落の危険があります。
携帯電話の持参
いざというとき、警察消防に連絡通報できる携帯電話は必須です。
ただ、気温が低いと動かなくなったりする可能性あるので、必ず肌に接するポケットに入れて下さい。
雪崩に注意
雪崩が起きやすい場所には近づかないことが一番。
ただ、どうしても通らなければいけない場所もあるかと思いますが、休まずに通り抜けるなど、時間を掛けないようにしましょう。
以上、雪山登山の心得を簡単にまとめましたが、それ以外にも、例えば「大木のすぐ横は踏みぬくので歩くな!」「アイゼンを装着するタイミング」とか色々あります。
経験者と同行すれば現地でいろんな事を学べるかと思いますすので、先ずはそれを実践してみてください。
次に、雪山に行く前に必ずそろえて欲しい6つの装備を順に紹介します。
必須装備1:専用のアウター
雪山の登山の大敵は「寒さ」ですが、逆に寒さ対策をすると汗をかき、その汗による「汗冷え」にも注意が必要で、服装選びのポイントは
- 防寒性
- 撥水性
- 透湿性
特に忘れがちなのは透湿性!
寒さ対策をし過ぎて、全身に汗をかいて、休憩したら急に冷えて、汗冷えを起こし動けなくなるという事態を避けるためにも非常に重要です。
ここではおすすめの服装を雪山用のアウターに絞ってジャケット、パンツの順に紹介します。
ジャケット
Patagonia M’s Isthmus Jacket イスマス・ジャケット
耐風性を備え悪天候に対応する多用途型ジャケット。
取り外しおよび2通りの方法で調整可能なインサレーション入りフード。
フロントジッパーと襟は隠しスナップ留めストームフラップと内側にもストームフラップを備えており、伸縮性を備えた調節可能な袖口と、2か所で調節できるドローコード付きの裾が冷気の侵入を遮断します。
NORTH FACE All Mountain Jacket
GORE-TEXC-KNITバッカーを採用した、3層構造の防水シェルジャケット。
雨天や晴天にかかわらず幅広いシーンで着用しやすく、夏~秋のアルプス登山などの長期縦走にはもちろん、残雪期のアイゼンを使用するシーンにも活用できるオールシーズン対応モデル。
パンツ
マムート MAMMUT GORE-TEX GLACIER Pro Pants
日本人の体形に合わせた日本企画のモデル。
スノースカートは着脱可能でオールシーズン使用可能で、もちろんサイドのシッパーで靴を履いたまま着脱可能です。
ファイントラック(finetrack) エバーブレスアクロパンツ
タテヨコに伸びる異次元ストレッチ性が特長。
雪面で滑りにくいアンチグリース性や、ウエア内のムレを瞬時に排出するリンクベント、スキーやアイゼンなどから裾を保護するアイゼンガードなど、ハードな雪山の活動をサポートします。
雪山用は値段が高いですが、防寒性・撥水性・透湿性を備えたしっかりしたものを選んでください。
日本メーカーのモンベルのジャケット・パンツも価格は手ごろで性能はしっかりしているので、おすすめ。
以上、アウターについて紹介しましたが、アウター以外にも
- インナーシェル
- 手袋
- スパッツ
- ネックウォーマ
- ゴーグル
などありますが、これはまた別の機会に紹介しますが、次に雪山特有で必須の装備について解説します。
必須装備2:冬靴
雪山ではアイゼンを着けることが前提なので、ソールの硬さが重要で冬靴は必須!
ソールが簡単に曲がるような靴だと10~12本爪の重アイゼンが外れてしまう恐れがありますので、必ず必要となってきます。
必須装備3:重アイゼン
夏山の雪渓歩きでは6本爪の軽アイゼンで十分ですが、雪山では10~12本爪の重アイゼンが必須。
最近は写真の様にワンタッチで装着できるアイゼンが主流となってます。ただ、雪原歩きしかしない場合はスノーシューだけでも十分かもしれません。
なお、重アイゼン装着した際は足が引っかからないように大股で歩くようにしてください。
必須装備4:ピッケル
歩き始めのなだらかな斜面ではダブルストックで十分ですが、傾斜がきつくなってくるとピッケルは必須。
必須装備5:スノーシューorワカン
踏み固められた道ではアイゼンで歩けますが、新雪になってくると埋まっちゃいますよね?
その時に大活躍するのがスノーシューやワカン。
ワカンは日本の雪山から生まれた装備で、樹林帯などでの機動性ではワカンの方が断然上。
ただ、今はスノーシューの性能が上がって、楽に登りもできるようになってきた事もあり、なんと言っても、雪原での爽快感はスノシューが上ですので、どちらか買うとすれば、スノーシューの方がおすすめ。
雪原の雪歩きだけなら、ダブルストックとスノシューだけでも十分かと思いますので、入る山に応じて選択すれば良いでしょう。
僕の雪山はセットはこんな感じ。
なお、アイゼンやピッケルは経験者と同行して、安全な場所で使い方を教えてもらってから山に入るようにしてください。
必須装備6:遭難防止グッズ
遭難の最も多いのが道迷いです。ここでは道迷いを防ぐためのグッズを紹介します。
GPS
スマホのGPSは沢山アプリ出ていますので、雪山では必ず、アプリを使いこなして持参することをお勧めします。
ただ、登山道が雪に埋もれるため、夏道以外の雪道にルートが付いていることも多く、GPSを過信しない事が必要。
また、低温でスマホが動かなくなることも多く、必ずインナーシェルの胸のポケットに入れるなどして保温してください。
ココヘリ
最近出てきたココヘリ。
- 事前にココヘリIDを記入した登山届を提出し、発信機(ココヘリ会員証)の電源を入れて山に入ります。
- 予定日を過ぎても降りてこない場合は家族や友人が通報するだけ(スマホの電波が届けば自分で通報すればOK)。
- これにより、受信機を持った警察やココヘリの提携ヘリが発信機の信号をつかみ、すぐに居場所を発見できるというもの。
入会には初年度のみの入会費(3300円)と年会費(5500円)がかかります、年会費は1日当たり15円とリーズナブルな価格 夏山でも使えるし、雪山には大きな味方になってくれると思います
ココヘリについては徹底調査したので、ここ↓を参考にしてみてください。
ココヘリの評判を「クチコミ」から徹底調査!デメリットはないの?
ココヘリの使い方を『会員登録』から『救助される』まで手順を追って紹介
まとめ
以上、初めての雪山登山の方に、行く前に必ずそろえて欲しい6つの装備を紹介しましたが、如何でしたか?
初めての方には雪山は怖いというイメージもありますが、しっかりした装備をして、経験者と同行すれば大丈夫。
プロのガイドのツアーに参加すると、雪山の楽しみ方や雪山ならではの動物の足跡など、いろんな事を教えてもらえたり、楽しいことがいっぱいあります。
是非、雪山に挑戦してみましょう。