熊鈴はツキノワグマに効果があるのか、寧比曽岳での遭遇体験から考えてみた
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こんにちは、山キャン情報室 管理人の亀太郎です。

昨年末は熊が市街地に出没する事件が相次ぎましたが、登山も熊の生息地に足を踏みいれることもあり、遭遇は必然です。

でも、実際に登山で遭遇した人は少ないですよね?

僕も「熊鈴してるし、熊と出くわす事はないだろう」という、根拠のない自信もあって気にしていませんでしたが、実際に遭遇して、そんな自信がグラグラと揺らいでます。

ここでは、熊鈴はツキノワグマに効果があるのか、寧比曽岳での遭遇体験から考えてみたので紹介します。


この記事を書いている人
登山歴:2007年~キャンプ歴:1995年~
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九州の大学卒業後、愛知県の自動車会社で車体構造の研究に従事する傍ら、1995年からデスクワークのストレス解消にオートキャンプを始める。

2007年からは、「山頂でテント泊をしたい」との単純な発想から、登山を独学で学び(一時期、山岳会に所属)、今はソロテント泊主体に活動中。

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そんな経験もふまえ、大手メディアでは取り扱っていないノウハウや小ネタ情報を発信しています。





寧比曽岳でのツキノワグマ遭遇体験

どんな感じで遭遇したか

熊と遭遇したポイント
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2016年秋の紅葉シーズンに、寧比曽岳にかみさんと紅葉狩りに行って下山する時の話。

寧比曽岳(ねびそだけ)とは?

  • 愛知県内の低山で標高は1120.7m
  • 愛知県人には人気の山で、コースはたくさんあります
  • 熊と遭遇したのは、入山者の少ない段戸湖から寧比曽岳までのコース(標高差200mなので手軽に紅葉狩りができるコース)

遭遇地点は右側が山・左側が沢となっているトラバース道のヘアピンカーブを越えたこんな↓所。

熊と遭遇した場所
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すると、沢側の草藪で「ガサガサって音が!

よく見ると、数m先の藪の中に黒い犬?らしきものが。。。

ん?黒い犬?
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こんな山の中に犬がいるわけないっ!なぬっ??

よく見ると、「あっ、小熊じゃん!

あっ、小熊じゃん!
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っと足を止めた途端に、小熊さん猛ダッシュして僕の目の前の登山道を横切った!

小熊との距離は2mぐらい(かみさんは僕の後ろを歩いてました)。

小熊、ダッシュ!
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んで、小熊はそのまま山側に逃げ込みました。

山側へ逃げ込む小熊
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僕の後ろを歩いていたかみさんが、「今、シッポのない黒い犬がいたね~~」なんて、のんきな事をいながら追い付いてきた。

戻るかどうか一瞬迷ったけど、すでに遭遇地点にいるわけだから、このまま下山した方がいいと判断

そのまま知らないふりして下山後「犬じゃなくて小熊」って説明したら、かみさん、腰を抜かさんばかりに驚いてた。

状況分析1:小熊と母熊の間に入るという最悪のパターン

母熊と小熊の間に入ってしまった
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出会ったのは、小熊だけど、すぐ近くに母熊もいたはずで、上の絵のような状況が容易に想像できます。

子熊を連れた母親熊が「子熊を守らなければ!」と攻撃してくる

反省:母熊と小熊の間に入る直前の最悪のパターン

状況分析2:その場所は朝から嫌な感じがしていた

実は、登る時に同じ山側の所で、「ガサガサッ」って、獣の気配がしていた

一瞬、熊?って思いました。

でも、「まさか~」って笑っていた。

反省:「もしかしたら、遭遇するかも」っという心構え

状況分析3:ヘアピンカーブ直後の出会いがしら事故

遭遇したところは、ヘアピンカーブ地点。

熊鈴は鳴らしていたが、熊が僕たちの気配に気が付くのが遅れた。

状況分析4:小熊は母熊に比べて警戒心が弱い

僕たちの気配を感じて母熊は山側に逃げたのかもしれない。

でも、小熊は逃げ遅れたのかも。

反省:小熊が猛ダッシュで母熊の元に戻ったので、事なきを得ましたが、「ぞ~」っと

状況分析5:熊鈴を過信していた

当然、熊鈴は携帯しており、大丈夫と思っていた。

反省:熊鈴しているから大丈夫っていう根拠のない自信

以上、遭遇体験を紹介しましたが、いかがでしたか?

いろんな偶然が重なったとはいえ、熊鈴は携帯していたのに何故って疑問が。

熊鈴って本当に効果あるの?

次に、そんな体験もふまえて、熊鈴は本当にツキノワグマに本当に効果があるのか考えてみたので、紹介します。

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熊鈴はツキノワグマに本当に効果があるのか考えてみた

ツキノワグマの活動時期はこんな↓感じです。

ツキノワグマの活動時期

  •  5月〜7月 : オスはメスを探して動き回る
  •  7月〜8月 : 食べ物が野山に少ない
  •  9月〜11月: 食いだめして冬眠に備える
  • 11月〜4月 :冬眠

冬なら安心とも思えるが、低山だと冬眠しないツキノワグマもいるので、いつ遭遇してもおかしくないですよね。

熊にとって、登山者は大きな迷惑

ツキノワグマ注意の看板
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登山は、人間以外の動植物のテリトリーに侵入していく行為なので、野生生物と遭遇する可能性は十分ある。

寧比曽岳でも、登山口には「ツクノワグマに注意」との看板あります(上の写真)。

逆に言えば、熊にとって人間は大きな迷惑で、極力出会わないようにするのが熊に対するマナー

なので、人間の存在を知らせて、出会わないようにするのが、熊鈴。

熊鈴は逆効果だという説もあるが。。。

熊は人の存在に気づくと人を避けることのほうが多いが、”人を恐れない熊”もいるって、聞きますよね?

こんな↓記事がありました。

記事の中には、こんな↓記述あり。

餌付けや食べ物の不法投棄により、人がおいしい食べ物を持っていると学習した熊が、鈴の音を聞いて近寄ってくることは十分に考えられます

熊が人を襲うのは、基本的に何か(食料、子供、自分自身)を守ろうとして突発的に攻撃する場合です。

熊に関わらず、動物は学習します。

なので、食べ物などで悪い学習をさせないことが、結果的に登山者と熊の距離を正常に保つために重要です。

怖い話ですが、こんな記述も。

熊は一般的に、人の存在に気づくと人を避けることのほうが多いです。

そのため、鈴を鳴らすことにより人の存在を熊に知らせ、近距離でばったり出遭うのを防ぐことができます。

効果はあるが、逆の事もあるかもしれない!

自然相手は難しいです。

熊鈴はツキノワグマに効果あると信じよう

いろいろと調べると、複数の行政期間では熊鈴をつけることを推奨しています。

さらに、専門家も熊鈴は効果ありとの見解が多い。

最も大事なのは”熊鈴はツキノワグマに効果あると信じる”ことのようです。

なので、いろいろと考えた僕の結論はこんな↓感じです。

  1. っとも危険なのはバッタリ出会う事と肝に銘じる
  2. バッタリ出会わないように、常にアンテナを張り巡らす
  3. さらに、バッタリ出会わないように熊鈴は必ず携帯する
  4. 食べ物を学習した熊の時は、運が悪かったと諦める(笑)

    人がおいしい食べ物を持っていると学習した熊に出会う確率は、限りなく小さいと信じようと思います。

    最悪の事を考えて熊撃退スプレーもあり

    唐辛子の辛味成分カプサイシンを含んだスプレーで、飛距離は7~8m

    使い方のポイント↓

    • すぐ取り出せるように(出会いがしらでも、熊よけスプレーを吹き付けられるような状態に)
    • 弾切れに注意(スプレーの持続時間は約7秒程度)
    • 風向きによっては効果が激減

    北アルプスで知り合ったおじさんは初登山で熊と遭遇したらしくて、それ以来、腰に巻いてるらしい

    詳細スペック↓

    熊撃退スプレー
    created by Rinker

    まとめ

    以上、熊鈴はツキノワグマに効果があるのか寧比曽岳での遭遇体験から考えてみましたが、いかがでしたか?

    熊にとっても人間は大きな迷惑で、極力出会わないようにするのが熊に対するマナー。

    熊鈴は、決して過信してはいけませんが、有効な手段だと思いますので、必ず携帯して登山を楽しみましょう。