人類未踏峰の山 ガンカー・プンスムの謎を徹底調査
出典:Wikipedia

こんにちは、山キャン情報室 管理人の亀太郎です。

1953年にヒラリーがエベレストに初登頂して70年近くたち、それ以降、登山技術や装備は当時から比べものにならないくらい進歩してきてますよね。

でも、標高はエベレストより低いものの未踏峰の山が数多くあり、そんな山に焦点を絞って、その理由やエピソードを調査しています。

ここでは、その第三弾として、ガンカー・プンスムの謎を徹底調査しましたので、紹介します。


この記事を書いている人
登山歴:2007年~キャンプ歴:1995年~
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九州の大学卒業後、愛知県の自動車会社で車体構造の研究に従事する傍ら、1995年からデスクワークのストレス解消にオートキャンプを始める。

2007年からは、「山頂でテント泊をしたい」との単純な発想から、登山を独学で学び(一時期、山岳会に所属)、今はソロテント泊主体に活動中。

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そんな経験もふまえ、大手メディアでは取り扱っていないノウハウや小ネタ情報を発信しています。





ガンカー・プンスムってどんな山?

英語表記で『Gangkhar Puensum』。

ガンカー・プンスムの最も有名な所は、『これまで誰も登頂に成功していない世界最高峰(標高7570m)』という事。

場所は、ブータンの中国チベットとの国境のブータン側。

ガンケルプンスムの位置
出典:Google Map

ブータンは世界幸福ランキングで上位国で素朴で人情あふれる『幸せの国ブータン』と言われていますが、ガンカー・プンスムはそんなブータン王国を代表する国の最高峰

日本でいえば富士山みたいな存在ですが、宗教上の理由で、現在はブータンから登山許可がおりていません

過去にブータンが登山を解禁したことあり、4つの遠征隊が挑戦していますが、いずれも登頂に失敗しています。

一言でいうとこんな感じですが、なぜガンカー・プンスムが未踏峰になっているか、次に紹介します。

未踏峰になっている理由

山の情報が極端に少ない未知の山

ガンカー・プンスムは1922年まで標高すらわかっていませんでした。

1922年に標高が初めて計測されましたが、地図は正確ではなく、山は別の場所に全く異なる高さで表示されていたり。

その、不正確な地図のため、最初の登山隊は山を発見することすら出来なかったようです。

信じられませんが、真実の様です。

ブータン王国による永久未踏峰宣言(2003年)

ガンカー・プンスムは宗教上の理由でブータンでは登山禁止になっていましたが、実は、1983年に登山が一度解禁されています。

その後、1985年と1986年に4つの遠征隊が登頂に挑戦しましたが、いずれも失敗(詳細は後で紹介しますね)

ただ、1994年に、ブータンでは6000m以上の山への登山は地域の宗教信仰に反するとして法律で禁止されました。

更に、2003年にブータン国王がガンカー・プンスムを永久未踏峰とすると発表

それ以来、誰も足を踏み入れられなくなったというのが、登山技術が発達した今でも、未踏峰のままとなっている大きな理由のようです。

世界中の登山家が挑戦を希望しており、中国のチベット側からの許可を取得する手段もある様ですが、国境線が定かではないこともあって中国も許可を下さないようです。

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ガンカー・プンスムは本当に未踏峰?

本当に登った人はいないんだろうか?って登山史をいろいろ調べてみるとこんな↓感じでした。

頂上を横切った?とかいう記述もありましたが、調査の限界。不完全燃焼でした(すみません)。

ガンカー・プンスムの登山史

  • ~1983年:そもそも登山禁止なので登頂記録なし
  • 1983年:ブータンが登山を解禁
  • 1985年~86年:日本やイギリスなど4つの登山隊が挑戦するも、すべて失敗
  • 1994年:宗教信仰に反するという理由から、6,000m以上の山の登山が禁止
  • 1998年:日本の登山隊に登頂許可が下りるも、当時のブータンの政治問題で抹消
  • 1999年:ならばという事で、日本の登山隊は中国チベット側からアタックし、衛星峰(ガンカー・プンスム北峰)の登頂は成功

その際に、ガンカー・プンスムの頂上を横切っているという報告も(??)

  • 2003年:ブータン国王が永久未踏峰宣言
  • 2003年~:登頂記録なし

こんな、未知の山ガンカー・プンスムですが、これを舞台にした映画が公開されていましたので、次に紹介します。

映画『キラーマウンテン』の舞台に

ガンカー・プンスムを舞台に設定した映画が、2011年にアメリカで製作されていました。

題名は「キラー・マウンテン」で、あらすじはこんな↓感じで、ちょっと怖そうです。

1954年ブータンの雪の降る寒い夜。標高3100メートルで登山隊4名が嵐で足止めをされていました。そんな中、テントの外では一人一人と何らかの生物に襲われ…全員帰ることはありませんでした。

場面変わり現代。子供たちの登山教師をしているワードへ登山の依頼が来ます。3年も前に引退したと断るワードでしたが…地元ブータンでは神々の山と呼ばれているプンスム。そこは聖なる場所で人は登れないのだと言われています。

八つ裂きにされる死体。伝説は本当なのでしょうか?登山隊の本当の目的は?

一般に、キラーマウンテンと言えばアンナプルナが有名ですが、DVDも出ていますのでよかったらどうぞ。

【映画】キラーマウンテン
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麓まではトレッキングツアーあり

未踏峰の山とはいえ、麓までは行くことができるようで、トレッキングツアーが開催されているようです。

例えば、アルパインツアーで、東京・大阪・名古屋・福岡発着の15日間。キャッチフレーズはこんな↓感じ。

地球上に残された人類未踏の世界最高峰ガンカープンスム(7,570m)

ブータン北東部と中国の国境にそびえる名峰で、ブータンの最高峰です。。。南東壁を圧倒的な迫力で間近に望む、南東面のベースキャンプまでトレッキングをします。

広く緩やかな谷を辿るコースには峠越えもありません。この谷に足を踏み入れた偵察隊やトレッカーはごく少なく、未踏の最高峰の懐深くに入り込む絶好の機会です。

まとめ

以上、ガンカー・プンスム(の謎を徹底調査した内容を紹介しましたが、いかがでしたか?

本当に登った人はいないんだろうか?っていう疑問には、やや不完全燃焼ですが、それだけ、未知という山ってことでしょうか。