こんにちは、山キャン情報室 管理人の亀太郎です。
みなさん、ブロッケン現象って見たことありますか?
僕は登山始めた頃に一度拝みましたが、それ以来お目にかかっていません(^^;;
そんなブロッケン現象って、見えるのは珍しく幸運だけなんでしょうか?
ここでは、登山でブロッケン現象が見えるのは幸運だけではない原理と条件を紹介します。
- この記事を書いている人
登山歴:2007年~キャンプ歴:1995年~ - 九州の大学卒業後、愛知県の自動車会社で車体構造の研究に従事する傍ら、1995年からデスクワークのストレス解消にオートキャンプを始める。
2007年からは、「山頂でテント泊をしたい」との単純な発想から、登山を独学で学び(一時期、山岳会に所属)、今はソロテント泊主体に活動中。
そんな経験もふまえ、大手メディアでは取り扱っていないノウハウや小ネタ情報を発信しています。
そもそもブロッケン現象とは?
光の輪に包まれた自分が見える
ブロッケン現象とは、ガス(霧・雲など)の中に自分の影が映り、その周りを虹色の光の輪が囲む現象のこと。
さらに、その光の輪はガスに映った自分の影の頭の周りにできるので、山の神様か仏様の様に見えて感動間違いなしです。
自分の影なので当たり前のことですが、手を振ると手を振り返してくれるのも感動。
何人一緒にいても、自分に見えるのは自分だけ
例えば、3人同時にブロッケン現象に遭遇した場合。3人とも『あっ、見えた見えた』と感動していても、自分に見えているのは自分だけ。
手を振ってもらえればわかります。これ、実際に遭遇すると、すごく不思議な感覚。
稀ですが、複数人見える場合もあるようです(^^;;
言葉の由来
言葉の由来は、ドイツの北部州での最高峰でもある、『ブロッケン山』。
ここではブロッケン現象が起こりやすく、ドイツの自然科学者がそのメカニズムを1780年の論文で発表したことから、一般用語に。
阿弥陀如来の後光もブロッケン現象から
欧米では影を妖怪と捉えて、『ブロッケンの妖怪(または怪物、お化け)』ともいわれている。
一方、日本では、この世のものとは思えない神秘的な光景から、『御来光(ごらいこう)』としてこれを見た修験者が『阿弥陀如来が姿を現わした』と悟りを開いたそう。
阿弥陀如来が背負っていの光の輪も納得がいきますよね〜。
次に、そんなブロッケン現象の見える原理と条件を紹介します。
登山でブロッケン現象の見える原理と条件
原理
原理は、簡単にいうと以下の2つの現象が同時に起こること。
- 太陽の光による自分の影がスクリーンの役割となるガスに映り込む
- スクリーンとなったガスの雲粒や霧粒により、光が散乱され影の周りに虹と似た光の輪が見える
光の輪の内側は青色で・外側は赤色。
原理はたったこれだけですが、まさしく自然の偶然が作り出す造形ですね〜
では、そんなブロッケン現象を登山で見える2つの条件を説明します。
見える条件(その1):朝と夕
原理からもわかる様に、太陽の位置が真上だと自分の影は下にできてしますので見えません。
なので、見る条件は自分の影がこんな↓風に『あしながおじさん』になる朝と夕のみ。
この時はガスなしなので影だけね(笑)
見える条件(その2):太陽と反対側にガスが湧いている
これも、原理からわかる様にブロッケン現象にはガスが必須となります。
それも、太陽と反対側にガスが湧くこと。
この2つの条件が揃った時と考えると、見るのは難しいと思われがちですが、夏山では尾根の片側で霧が出現することは珍しくないので、実はそれほど珍しい現象ではありません。
でも、登山仲間に聞いても見たことある人は少なく、僕も1回だけ。
珍しいので、本当に幸運だけなのか、僕の体験談も含め考えてみたので、次に紹介します。
登山でブロッケン現象が見えるのは幸運だけなのか?
僕のブロッケン現象体験
登山始めたばかりの頃、燕山荘すぐ横でテント泊した時。
この↓写真の黄色のテントね。
ガスが湧いてきて、夕焼けが見えないとガッカリしていたら〜
燕山荘前の広場で、登山者が『ブロッケンが見える』って、ざわつき始めた。
『ブロッケン??』(当時は知りませんでした)
なんのことかわからないけど、すぐ近くなのでとりあえずカメラ持って行ってみると〜
『うわぁ〜〜仏様が出たぁ〜』
感動のあまりカメラを写すのを忘れて見入ってしまう(笑)
少し見えにくくなり、我に帰りあわてて写真を撮ったのがこれ↓。
目を凝らすと見える様な(泣)
でも、家に帰って画像処理をしてみたら、こんな↓風にしっかり映ってました(笑)
それ以来、まだお目にかかっていません。
では、僕の体験から、幸運を呼ぶ方法を次に考えてみました。
幸運を呼ぶ方法1:頂上直下の山小屋・テン場で泊まる
頂上直下の山小屋・テン場に泊まる楽しみの一つは『ご来光』と『夕焼け』ですよね〜
ご来光を見た後に、背後にガスが湧いている時は、すぐ山小屋やテン場に戻らずチャンスを待ってみるのもいい。
夕焼けの時はその逆で夕焼け前から待機していたら、こんな↓感じで見えるかもです。
幸運を呼ぶ方法2:周りがざわついたら見に行く(最重要)
僕の経験では、ブロッケン現象が見えた時は必ず周りがざわつきます。
そんな時は、山小屋内にいても、テント内にいても、寒くても、面倒でも、疲れてても、見に行った方がいい。
これ、最大のポイントかもしれません。
幸運を呼ぶ方法3:日帰りの時は、朝日が出る前に登る
早朝登山で朝日が登る前に稜線まで出ればチャンスかもしれません。
ガスっぽい時は、歩きながらブロッケン現象を探してみるのもいいかも。
まとめ
以上、登山でブロッケン現象が見えるのは幸運だけではない原理と条件を紹介しましたが、いかがでしたか?
原理をしっかり把握して、根性さえあれば(?)見えるチャンスは必ずあると思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。