こんにちは、山キャン情報室 管理人の亀太郎です。
このブログを読んでいるあなたは、アコンカグア登山に挑戦しようかなって思われてるのでは?
僕も機会があれば挑戦したいと思ってる一人。
そんなアコンカグア登山の難易度は『トレッキングで登頂可能な世界最高峰』ともいわれるが本当なの?と思い、調査したので紹介します。
- この記事を書いている人
登山歴:2007年~キャンプ歴:1995年~ - 九州の大学卒業後、愛知県の自動車会社で車体構造の研究に従事する傍ら、1995年からデスクワークのストレス解消にオートキャンプを始める。
2007年からは、「山頂でテント泊をしたい」との単純な発想から、登山を独学で学び(一時期、山岳会に所属)、今はソロテント泊主体に活動中。
そんな経験もふまえ、大手メディアでは取り扱っていないノウハウや小ネタ情報を発信しています。
アコンカグアとはどんな山?
7大陸最高峰(セブンサミット)のひとつ
アコンカグア(Aconcagua)はアルゼンチンとチリとの国境付近のアルゼンチン側ある標高6959mの山。
南米最高峰で、アジア圏以外の大陸での最高峰。
7大陸最高峰(セブンサミット)のひとつということもあり、毎年3500人以上が入山している。
登頂ルートは3つ
ルートは3つ↓。
- 北西面ルート(ノーマル・ルート)
- 北東面ルート(ポーランド・ルート)
- 南壁ルート
そのうち3は技術的に難しく、入山者の約80%が、こんな↓ノーマル・ルートを使っている。
標高4230mのプラザ・デ・ムーラスをベースキャンプとして、そこを拠点に高度順応しながらアタックする人が殆ど(詳細は後述)。
ペニテンテがすごい
ペニテンテとはつららが逆さまになった地獄の針山のような光景のことで、ベースキャンプのプラザ・デ・ムーラスで遭遇できる。
『標高が4,000m以上で起きる現象』という事以外未解明な現象で、スペイン語で”とんがり帽子をかぶった懺悔する聖者”と呼ばれている。
日本人初登頂は1953年
初登頂は1897年だが、日本人初登頂は1953年の早稲田大学遠征隊。
最年少登頂は2013年のタイラー・アームストロングで、なんと9歳です!
14歳未満での登頂は認められていないが、アルゼンチン当局と交渉して特別に許可を得たそうです
そんな、アコンカグアですが『トレッキングで登頂可能な世界最高峰』ともいわれています。
なぜなんでしょう?次に紹介します。
『トレッキングで登頂可能な世界最高峰』とも呼ばれるが、その理由は?
アコンカグアは『トレッキングで登頂可能な世界最高峰』『素人が登れる世界最高峰』と呼ばれることもあり。
その理由は、次の3点にある様です。
理由1:世界一設備の整ったベースキャンプ
ベースキャンプは標高4230mのプラザ・デ・ムーラスにありますが、そこの設備が世界一。
有料ですが、温水シャワーやインターネットも使えるし、お金を払えば、ボトルワイン付きの豪華な食事も。
ベースキャンプより上の標高に行くには常駐のドクターに診てもらってメディカルチェックを受ける必要ありますが、これも安心材料ですよね。
いちばん驚いたのはアートギャラリー↓まであるってこと。
世界一標高の高い位置にあるアートギャラリーとしてギネスブックにも認定。
富士山より高いところに美術館まであるって信じられないですよね〜
理由2:『ノーマルルート』は登りやすい
積雪の状況にもよりますが、技術的には難しいところはなく、基本的なアイゼンワークができればチャレンジ可能な、比較的登りやすい山。
積雪についても積雪量はさほど多くなく、標高5000mを超えても砂利が出ている箇所が無数にあり。
誤解を恐れず敢えて簡単にいうと、富士山みたいな感じ(ちょっと言い過ぎ)。
理由3:『ムーラ』を使えばベースキャンプまでは比較的楽ちん
登頂まで順調に進んでも登山口から登山口まで約20日必要。
その間に必要な荷物を担いで登山口からベースキャンプまで2日間歩く必要あり(高度順応も含めると最低3日間)。
運ぶ荷物の重さは50kg程度必要なので、背負って歩くのはかなりしんどい。
そんな時に大活躍するのが、ロバと馬との混血種『ムーラ』↓。
個人でもムーラは利用できる上、入山料も公認ツアー会社並みの低価格となるそうで、使わない手はありません。
ベースキャンプのプラザ・デ・ムーラスは『ムーラたちの集う広場』だそう
以上、『トレッキングで登頂可能な世界最高峰』といわれる理由を紹介しましたが、そんな山なのに登頂率は30%以下。
何故なのか、次に紹介します。
登頂率は30%以下。その理由は?
世界最高峰のエベレストが登頂率は77%。それに比べてアコンカグアは30%以下。
『プロが目指す山』と『アマチュアが目指す山』の違いがあるかもしれませんが、なぜこんなに低いのか?
その理由は『高度順応』、『ビエント・ブランコ』、『アタック・撤退の判断』の3つ。
理由1:『高度順応』の壁
アコンカグアの標高は富士山の2倍近くあり、最大の敵は『高度順応』の壁。
僕は7000m級など経験したことありませんが、こんな↓感じ。
この標高を歩いた人間でないと想像することは難しいと思いますが、少し動作をしただけでまるで徒競走をした後のように息がゼェゼェします。自分の頭の想像通りに体が動きません。標高6000mオーバーの世界と標高4000mとではまるで世界が違います。感覚的には5000mを超えた辺りから体感的な世界が変わりますね。標高4000くらいまでなら少し空気が薄いかな?くらいにしか感じませんが標高5000を越えると空気の薄さを実感します。
引用元: Time Storm
この↓グラフはアコンカグア登山ツアー会社の日程表。
ベースキャンプに着いてから『高度順応』が5日間準備されています。
要は、少し標高が高いところまで行って戻ってくることを連日繰り返して体を慣らし、高山病になるリスクを軽減するってこと。
さらに、常駐の医師によるメディカルチェックを合格しないとアタックは許されません。
理由2:『ビエント・ブランコ』の壁
『ビエント・ブランコ』とは山頂付近に吹き荒れる風(『白い嵐』)のことで、アンデス地方特有の悪天候のこと。
地元のガイド達からも恐れられており、それが吹き荒れている間は登頂は不可能。
最終キャンプからのアタックは10時間以上の行動時間になるので、できるだけ天候の安定した日を選んで登ることが必須。
理由3:『アタック・撤退の判断』の壁
理由1・2を考えると、アタック日に以下の条件が揃うことが必要。
- 高度順応ができること
- 天候(特に風)が安定していること
でも、こんなケースも容易に考えられますよね。
- 高度順応がまだなのに天候の良い日が来た
- 下山日が迫っているのに天候が安定しない
- 天気予報が良くて出発したのに予報が外れた
これが、アコンカグアの登頂率が30%以下の大きな理由。
想像通り『トレッキングで登頂可能な世界最高峰』とも呼ばれるが、そんなに簡単な山ではなさそうです
登山シーズンになるとこんな↓ツアーもあります。
南米大陸最高峰 アコンカグア登頂22日間
南米最高峰アコンカグア展望トレッキング(アコンカグアの南壁を望む展望台(4200m)を目指して、ベースキャンプ(3400m)に2・3泊するテント泊トレッキング)
まとめ
以上、アコンカグア登山の難易度は『トレッキングで登頂可能な世界最高峰』っていわれてるが本当なの?と思い調査しましたが、いかがでしたか?
結果は本当じゃなく『挑戦したいな』ぐらいの生半可な気持ちではいけないことは理解できました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。