こんにちは、山キャン情報室 管理人の亀太郎です。
新幹線で缶ビールを飲む時に、炭酸が吹き出してズボンがビチョビチョになった経験ありませんか?缶ビールに限らず、炭酸飲料も同じ。
そんな事故を回避する方法は、いろんな場で紹介されてますが、どれがいいのかイマイチ疑問。
ここでは、炭酸が吹き出す対策はどれがいいのか、吹き出さない3つの方法を実験で検証したので紹介します。
- この記事を書いている人
登山歴:2007年~キャンプ歴:1995年~ - 九州の大学卒業後、愛知県の自動車会社で車体構造の研究に従事する傍ら、1995年からデスクワークのストレス解消にオートキャンプを始める。
2007年からは、「山頂でテント泊をしたい」との単純な発想から、登山を独学で学び(一時期、山岳会に所属)、今はソロテント泊主体に活動中。
そんな経験もふまえ、大手メディアでは取り扱っていないノウハウや小ネタ情報を発信しています。
炭酸飲料が吹き出す原理
外ならいざ知らず、新幹線で缶ビールを飲もうとして、不用意に缶を開けると「プシュ~」って吹きこぼれると最悪ですよね?
「なぜ吹き出すのか?」、まずはその理由を簡単に説明します。
原理❶|炭酸飲料には二酸化炭素が多く溶け込んでいる
炭酸飲料には、文字通り二酸化炭素が溶けており、「スカッと感」を出すためにはたくさんの二酸化炭素を溶かしたい。
ここで、ヘンリーの法則の登場。
上の写真にあるように、「一定温度で液体に溶ける気体の量は圧力に比例する」というヘンリーの法則を利用して、高圧をかけて、二酸化炭素を溶かしてあります。
また、高圧・低温の環境で製造された炭酸飲料の中には、通常では溶けない量の二酸化炭素が多く溶け込んでいます。
原理❷|衝撃を加えると二酸化炭素と水分が分離して、気体部分の圧力が高くなる
溶け込んだ二酸化炭素は、そっとしておけば安定しているのですが、ひとたび物理的な衝撃を受けると気体に変わります。
気体に変わるということは液体から出てくるということであり、気体部分の圧力はどんどん高くなっていきます。
上の写真は溶けだした二酸化炭素の泡(気泡)で、二酸化炭素と水分が分離しているのがよくわかりますよね。
この気泡が次の様に「悪さ」をします。
原理❸|その状態で瓶(缶)を開けると、気泡が液体と一緒に「プシュ~」っと吹き出す
❷の状態で瓶(缶)を開けると、高まった圧力が一気に解放されて溶け込んでいた二酸化炭素も多くが気体化。
開けた瞬間に行き場がなくなり気泡と共に液体が飛び出して、「プシュ~」っと吹き出すそうです。
以上が、炭酸が吹き出す原理ですが、それを回避する裏技がいろいろと開発(考案?)されており、次にその検証方法と共に紹介します。
裏技と実験方法
どんな裏技が開発されているか?
これまで、先人が開発(考案?)してきた裏技を大きく分けると、次の3つ。
どれも、炭酸を振った後にできる気泡を栓を開ける前に水面に浮上させて、吹き出すのを防ぐ方法です。
- コロコロの術(横にして転がす)
- 首挟みの術(首に挟んで「あ~~う~♬」って唸る)
- デコピンの術(デコピンで瓶(缶)の側面をたたく)
実験方法
缶ビールでやるのは、酒飲みの僕にはもったいない事もあり、コーラのペットボトルで実験することに。
まずは、500ccコカコーラのペットボトルを4本購入。
開栓前のコーラを吹き出しやすいように常温状態にして、こんな↓風にラベル付け。
実験方法はこんな↓手順です。
- 開封前のペットボトルを、ひたすら振りまくる
- 裏技を仕込む
- 受け皿の上で、思いっきり開封
- 「プシュ~」っと吹き出したコーラの重量を測定(下の写真)
実験❶ 裏技なし
まずは、開封前のペットボトルを、ひたすら振りまくるとこんな↓感じで爆発寸前に。
受け皿の上で、思いっきり開封。
「プシュ~」っと吹き出してもいいように、台所の洗い場でやりましたが、それでも思いっきり飛び散る羽目に(笑)。
一瞬の出来事で写真を撮る余裕ありませんでしたが、開封後はこんな↓感じ。
それでは、結果発表。
裏技なしでは全容量の約30%の138gが吹き出た。
実験❷ コロコロの術
開封前のペットボトルを、ひたすら振りまくった後、ペットボトルを横にして、20回程度テーブルの上で適度なスピードでコロコロ転がす↓だけ。
「これで本当に効果があるんだろうか?」と半信半疑ながら、思いっきり開封。
それでは、結果発表。
裏技なしに比べて半減の、78gの吹き出し量。
実験❸ 首挟みの術
開封前のペットボトルを、ひたすら振りまくった後、首とアゴに挟んで「あ~~う~♬」と唸るだけです。
要は、声帯から出る微振動で気泡を浮かび上がらせるらしい。
冷たい場合は30秒程度でいいですが、常温なので1分間唸り続けました(笑)。
ここで、重要なのはワザを成功させたい強い気持ちが大切らしいです。
では、結果発表。
吹きこぼれ量は「コロコロの術」の1/4の20gと素晴らしい結果。
実験❹ デコピンの術
開封前のペットボトルを、ひたすら振りまくった後、ペットボトル全体をくまなく、30秒程度デコピン攻撃するだけ。
強くやりすぎたり、刺激が足りないとうまくいかないこともあるため、ちょうどいい感じのデコピン具合を見極めるには、何度かチャレンジしてみる必要があるとのこと。
スプーンみたいな棒状のものでたたくのもアリらしいです。
「こんなので、本当に効果があるんだろうか?」って半信半疑でしたが、驚愕の結果が(@_@;)
では、結果発表。
なんと、なんと、吹き出し量0g。
恐るべきデコピンの術(@_@;)
次に、これまでの実験結果をまとめて発表します。
実験結果
予算の都合上1回だけの実験ですので、精度は悪いと思いますが、吹き出し量は、こんな↓感じで「デコピンの術」の圧勝。
- 裏技なし:138g
- コロコロの術:78g【3位】
- 首挟みの術:20g【2位】
- デコピンの術:0g【1位】
僕はこれまでは「首挟みの術」を使っており、新幹線内では変人扱いされている気もしていたので、これからは「デコピンの術」に変えようかと(笑)
まとめ
以上、炭酸が吹き出す対策はどれがいいのか、吹き出さない3つの方法を実験で検証しましたが、いかがでしたか?
結果は「デコピンの術」の圧勝。
今後は、夜の新幹線内で出張帰りのサラリーマンの皆さんが、缶ビールにデコピンしている姿が散見されるかもしれません。
なお、車中泊やキャンプのテント内での缶ビール開栓にも有効ですので、試してみて下さいね。