
こんにちは、山キャン情報室 管理人の亀太郎です。
宇宙ステーションの「きぼう」って肉眼で見えるって知ってますか?当ブログでは、その最新情報の早見版とその見方を、週に一回、ここに↓アップしています。
ここでは、さらに掘り下げて、宇宙ステーション「きぼう」は見上げる角度が大きいと見えやすいのは何故?と題して、その理由を紹介します。
そこには、大気境界層の存在がありました!
宇宙ステーション「きぼう」の観測方法|そもそも、見上げる角度って?

見上げる角度とは、立っている位置から宇宙ステーション「きぼう」を見た時の地面との角度です。
上の図の場合だと、きぼうの軌道が広島・大阪を横切っているので、A地点を通った時の見上げる角度は
- 広島・大阪:ほぼ90度
- 札幌・秋田・仙台:20~30度
となります。
この見上げる角度が、宇宙ステーション「きぼう」を見るためには非常に重要となります。
それを、決める大きな要素の一つに「大気境界層」の存在があり、次に紹介しますね。
宇宙ステーション「きぼう」の観測方法|角度で見え方が違うのは、大気境界層の存在があった
大気境界層とは?

「大気境界層」とは、大気の最も底の部分になる、地表面から高度1~2km程度までの層の事。
それより上空は「自由大気」。
僕たちが体感する暑さ・寒さ・湿っぽさ、自動車のCO2ぜんそくやアレルギーの原因となる大気汚染や花粉の飛散などは、全て大気境界層の中で起こります。
なので、大気境界層には、水蒸気や汚染物質が閉じこめられているため、空気の透明度が、上空の清浄な大気(自由大気)と違います。
こんな↓感じ。

詳細は後から説明しますが、晴天の時など北アルプスなど高い山に登った時は、大気境界層と自由大気の境界がくっきり見えることがあります。
こんな↓感じ。
ひとことで言うと、地面から1~2kmの大気境界層は、汚くて透明度が悪いっ

見上げる角度で見え方が違うのは、大気境界層の存在が大きい

そんな、透明度が悪い大気を介して宇宙ステーション「きぼう」を見るため、斜めに見ると見えにくい。
これが、見上げる角度で見え方が違う大きな要因。
自由大気も空気層なので、斜めだと、少なからず同様に見えにくくなります
宇宙ステーション「きぼう」の観測方法|見上げる角度はどれぐらいが限界か?

一般に、見上げる角度の限界は30度(目のいい人でも20度)
上の図の場合だと、きぼうがA地点を通った時は、
- 広島・大阪:ほぼ90度で、ばっちり見える
- 札幌・秋田・仙台:20~30度で、なんとか見える
って感じです。
以上、見上げる角度が大きいと見えやすい理由を説明しましたが、最後に、大気境界層の体験を紹介します。
宇宙ステーション「きぼう」の観測方法|大気境界層って見えるの?
標高2000mぐらいの山で、条件がそろえばくっきり見えることがあります

当然ですが、大気境界層と自由大気の境界は線は引かれていません。
でも、上の図の様に標高2000mの山に登って上空の天気が良い時に、大気境界層ってくっきり見えることがあります。
北アルプスの薬師岳に行った際に、大気境界層がくっきり見えてびっくり!
2013年9月に薬師岳に登った際の出来事。
薬師峠テント場を早起きして薬師岳の朝日を見た後、太郎平小屋前のベンチから真っ青な空に映える薬師岳に別れを告げて下山開始。

折立登山口(富山県)側に下っていく途中の標高2000m付近で、なにやら不思議な光景が。
真っ青な空に境界線!その下は汚い!
最初は日本海の水平線かなって思ったけど、どう考えても違う!

なんだろうと思いながら下っていくと、だんだんその汚い空の中に吸収されていく自分。

帰宅後、いろいろと調べてみたら、これこそ大気境界層と自由大気の境界でした!
これだけ、くっきり見えることは珍しいようです。
それにしても、普段住んでいる所の空気って、こんなに汚いんですね。
驚いたと同時に、地球環境問題をまざまざと感じさせられました。
まとめ
以上、宇宙ステーション「きぼう」は見上げる角度が大きいと見えやすいのは何故?と題して、その理由を紹介しましたが、いかがでしたか?
そこには大気境界層の存在があり、地球環境にも重要なことがわかりました。
きぼうを見たいけど、手順がよく分からないって方は、問い合わせコーナーへ観測点(都市名だけでOK)を記載して連絡いただければ、日時や見方を調べて返信しますので、遠慮なくどうぞ~
ではでは、みんなで、きぼうを見よう(*^^)v